@ぴあメールマガジン クラシック アーティスト・リレー・エッセイ〜5線紙にのせて〜
第13小節 ヴァイオリニスト:加藤知子
2004/12/15
 「ぎんさん」こと伊藤恵さんよりご紹介の加藤知子です。いつも明るい彼女には、会うたびに「元気」をもらっている様な恵さんありがとう!究極の「99才と100才」のデュオ実現できたら嬉しいですね。長生きしたいものです。

 先日、久しぶりにお寺で演奏会をさせて頂く機会がありました。もともとお寺に行くことは、洋の東西を問わず好きで、旅先等で時間があると立ち寄ることが多いのです。どこもだいたい中は暗くて寒いのですが、入った時の静寂と「凛」としたとでも言いましょうか。あの空気が好きなのです。丸くなっていた背筋も伸びるわけです。

最近はお寺でクラシック他「和」以外の催しがあるのは、特に珍しい事ではなくなった様に思います。よく考えてみれば、本来、寺院は人の集う場所だったわけで、何をやっても違和感がないのは当然のことかもしれません。

響のせいか、暗さのせいかわかりませんが、弾き進んで行くうち、大汗とは反対に、心がどんどん静かになって行ったのです。
もしかするといわゆる弾かされている感覚だったのかも・・・。たまに訪れてくるその天使が舞い降りる様な平和で充実した瞬間を求めて、演奏する事を続けて行こうと思えるのかもしれません。音楽の神様に感謝です。
 
  年明けの1月末に大先輩の館野泉大先生と久し振りにご一緒できる事になりました。フィンランドの湖の様な美しい音色がリリアホールでまた聞けるのを楽しみにしております。
次回よろしくお願いいたします。

皆様も少し早いけれど、メリークリスマス!
そしてどうぞよいお年を!!

≫次回は…ピアニストの舘野泉さんです。
加藤知子 写真

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■ヴァイオリニスト 加藤知子 プロフィール
4歳よりヴァイオリンをはじめ、三瓶詠子、故久保田良作、江藤俊哉の各氏に師事。
第47回日本音楽コンクール・ヴァイオリン部門第1位、レウカディア賞受賞。翌年の海外派遣コンクールで特別賞受賞。1980年桐朋学園大学卒業。同8月、タングルウッド音楽祭に(アメリカ)参加、メイヤー賞受賞。ローレンス・レッサーに師事。アスペン音楽祭、マールボーロ音楽祭に出演、ルドルフ・ゼルキンらの指導を受ける。1981年9月から文化庁派遣研修員として2年間、ジュリアード音楽院に留学。
1982年第7回チャイコフスキー国際コンクール第2位受賞。演奏活動の他にも、桐朋学園大学助教授として後進の指導にあたっている。
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