@ぴあメールマガジン クラシック アーティスト・リレー・エッセイ〜5線紙にのせて〜
第9小節 フルーティスト:工藤重典
2004/10/06
ギターの鈴木大介さんよりバトンタッチをうけた、フルートの工藤重典です。

皆さん、お元気でしょうか? いやー、この夏も日本は暑かったですね。何か昨年のフランスの猛暑が今年は日本にやってきた感じがしました。

さて、この夏は僕にとっては色々エキサイティングなことが多くありました。7月は水戸室内管でモーツァルトの珍しい協奏交響曲をob(オーボエ)の宮本文昭さん、Fg(ファゴット)のダグ・ヤンセンさん、そしてホルンのラデク・バボラクさん達と小澤征爾さんの指揮で演奏し、またレコーディングも同時に行いました。この曲はモーツァルトがパリで書いた実存する曲なのにもかかわらず、行方不明になりっぱなしで、今回はアメリカの学者がコンピューターを使って再現した楽譜を使ったのです。7月後半は、フランスの巨匠J.M.ダマーズ氏が僕の為に書いてくれた作品「ペイザージュ」の日本初演を行うツアーをやりまして、大成功に終わりました。

また新たにフルートのレパートリーが増えた訳です。そして、この9月は待ちに待ったフランスジャズ界の大物、クロード・ボリングとの協演で、サイトウ・キネン・フェスティバルでも演奏するチャンスに恵まれ、また、横浜・東京の公演でもお客様をうならせました。今回のバトンを渡してくれた大介さんにも出演してもらい、ピクニックスィートなど楽しい曲で盛り上がりを見せてくれました。そう、彼の質問で、元気の源はどこから…? というのがありましたが、実は今さっき、韓国から帰ったばかりなのです。よくキムチパワーと言いますが、エネルギーがよく燃える食品を効率よく食することが大事なのではないでしょうか。とにかく韓国の人たちはよく食べ、よく飲みます。でも必ずキムチを食べる所が秘訣なのでしょう。

話は変わって、この12月もパリから「アンサンブル・エスプリ・フランセ」と共に来日しますので、どうぞ楽しみにしていてください。

さて、次はどなたにバトンタッチしようかなあ。
次回のお楽しみです!!

≫次回は…???
工藤重典 写真

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■フルーティスト 工藤重典 プロフィール
札幌生まれ。パリ音楽院にてジャン=ピエール・ランパル氏に師事。78年、第2回パリ国際フルート・コンクール優勝、フランス独奏家協議会賞受賞。80年、第1回ジャン=ピエール・ランパル国際フルート・コンクール優勝、併せてフランス共和国大統領賞も受賞、一躍国際的な注目を集める。ソリストとして40ケ国を訪問、180以上の都市で演奏。世界各地のオーケストラや国際的アーティスト、また日本のほとんどの主要オーケストラと共演を重ねている。内外のレーベルから50種類以上のCDをリリース、「ランパル&工藤重典/夢の饗演」は88年度文化庁芸術作品賞を受賞。83年からジャン=ピエール・ランパル国際フルート・コンクール審査員。現在パリ・エコール・ノルマル、フルート科教授。87年よりサイトウ・キネン・オーケストラならびに90年より水戸室内管弦楽団首席フルート奏者を務める。パリ在住。

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