@ぴあメールマガジン クラシック アーティスト・リレー・エッセイ〜5線紙にのせて〜
第8小節 ギタリスト:鈴木大介
2004/9/22
皆こんにちはっ!
須川さん、ご指名ありがとうございます。須川さんには、いつもお世話になってばかりです。二人で利尻島に番組収録に行って、台風で飛行機と船が泊まってしまって、島に缶詰になってしまったのも今は昔。これからもどんどん伝説を作って参りましょう。

以前須川さんのツアーで御一緒したジャズ・ギタリストのマーティン・テイラーさんが、11月8日(月)にすみだトリフォニーホールでソロのライヴを行うことになり、僕もゲストで参加させていただきます。信じがたい程のテクニックも見物ですが、何よりもマーティンさんのギターは、スマイルと涙のブレンドが極上なんです。彼のギターを聴くと、とても優しい気持ちになれるのです。こういう達人に出会う度に思います…ギターって奥が深いです。

このマーティンさんと、先日工藤重典さんの御紹介で共演させていただいた大御所ジャズピアニストのクロード・ボリングさんのマネージャーさんがとても親しくされていて、世界は狭いなぁということを痛感しました。ボリングさんのピアノはお洒落で、ヴィルトゥオーゾで、活力に溢れています。3ケ所で行われた工藤さんとの公演はどれも大成功でした。75歳にしてあのバイタリティー、もちろん年齢は関係ないのだとは思いますが、それにしても…音楽も奥が深いです。

ところで、僕は最近CDをリリースしました。「夢/ギター協奏曲<北の帆船>」というタイトルで、アイヌや沖縄の旋法に基づいた林光さんのギター協奏曲や、バリ島のガムランから影響を受けて書かれているフェビアン・レザ・パネさんの「織りなす魔法の踊り」を中心に、日本やインドネシアの美しい作品をギターで演奏しました。南の海に浮かぶたくさんの島々の、それぞれの言葉で発せられた祈りが、ひとつの海へ帰っていく、そんなコンセプトで生まれたアルバムです。

さてさて、次回は先ほどもお話しましたフルーティストの工藤重典さんにバトンタッチです。工藤さん、その元気の源を教えてください!!

≫次回は、フルーティストの工藤重典さんです。
■ギタリスト 鈴木大介 プロフィール
福田進一、尾尻雅弘、エリオット・フィクス、ホアンキン・クレルチの各氏に師事。93年アレッサンドリア国際ギターコンクール優勝。95年、その演奏を武満徹から「かつて聴いたことがない」と評され才能を認められた。武満やパラグアイの作曲家バリオスの作品をはじめ多くのCDをリリース、プロデュースも行っている。透明で色彩にあふれた演奏は常に賛辞をもって迎えられ、現代音楽の初演も意欲的に行っている。最近では、20世紀にギターが辿った世界を描く「エラボレーション」と題したリサイタル・シリーズを3年にわたり開催中。2000年度出光音楽賞受賞。

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