作曲家の吉松隆です。〈クラシック系音楽の作曲家〉と言うだけでも21世紀の現代では充分に非常識な存在なのですが、その上ほとんど国際保護動物なみの珍獣〈交響曲作家〉というのをやっています(笑)。
ちなみに「交響曲(シンフォニー)というのは何か?」と言いますと、それはもう「この世で一番作るのが面倒くさくて、演奏するのが大変で、しかもお金にならない音楽」なのですよね。西洋音楽史の数百年におよぶ歴史を見ても、これを書いてお金持ちになった作曲家は一人もいませんし、書いて幸せになった人も見かけません。生きているうちに演奏すらされない…という例もこれまた非常に多いですし。じゃあ「なんでそんなものを書くのか?」と言いますと、うーん、よく分かりません。(おいおい)
しかし、私の場合は非常に幸運なことに、盟友:藤岡幸夫氏の指揮のもと、イギリスのCHANDOS(シャンドス)というレーベルで、すべての交響曲(と言ってもまだ5つしかありませんが)が録音されCDで聴けるという不当なまでの優遇(?)を受けて、今も生き延びています。世の中、捨てる神あれば拾う神あり、ということでしょうか。
と言うわけで、最近はその恩をクラシック界に返すべく、イラスト(というよりマンガ)で図解した「初心者からマニアまで使える究極のクラシック音楽入門書」三部作を執筆中です。最初が、オーケストラ入門篇とでもいうべき「図解クラシック音楽大事典」(学研/発売中)で、今はその続編というべき「用語事典篇」と「名曲事典篇」(まだタイトルは未定)をボソボソと書き綴っています。
そうそう、思い出しましたが、須川展也氏のための新しいコンチェルトも書いているのでした。ちなみに「コンチェルト(協奏曲)とは何か?」と言いますと…、おっと、話が長くなってしまいましたので、続きはまた別の機会に…。
≫次回は、サクソフォニストの須川展也さんです。
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