@ぴあメールマガジン クラシック アーティスト・リレー・エッセイ〜5線紙にのせて〜
第1小節 ピアニスト:三舩優子 
2004/6/16
ピアノの三舩優子です。
クラシックメールマガジン「アーティスト・リレー・エッセイ〜五線紙にのせて〜」のトップバッターということで光栄です!

不況不況と人々が口にし始めてから既にかなりの時が経っている気がしますが、我々の業界も低迷留まらず…。一体どこまで酷くなるんだ?!と不安になる一方で、昔からの根強いクラシックファンの方々に支えられてなんとか生き延びている今日この頃です、はい。
長い歴史の産物を大事にしながらも、新しい試みにも挑戦しつつ…と、シビアな時代の要求に応えられるべく模索の日々です。

今年は、7月10日(土)を皮切りに滋賀県守山市で「ピアノ キューブ」と題して一年間計3回のリサイタル・シリーズをさせて頂ける事になっています。ひとつの町に一年間通いつめて聴衆と一体感を味わえることは、なかなかないことなので今からワクワクしています。

そして、昨年運命的な(!)出会いをした神津善行先生の絶大なるサポートによって、秋にはソプラノの高橋薫子さんと紀尾井ホールを始めデュオ・リサイタルのツアーがあります。支えて下さる方々のお陰で結構多忙に過ごせそうなのは本当に感謝ですね。

演奏活動の一方で、二年目に突入したNHK-BSの「週間ブックレビュー」の司会業もようやく楽しめるようになってきて、毎月読む本の数は多いですが「今度はどんな本が来るんだろう」と心待ちにするまでになりました。ピアノ以外のお仕事をさせて頂ける幸せは私にとっては本当に宝です。この番組を通して世の中にはこんなに素敵な人がたくさんいて、知らないことはこんなにもたくさんあるんだ〜と、つくづく痛感させられます。

音楽への欲は年を追うごとに増し、ただひたすら突っ走る時期を経たこれからが真の喜びを実感しながらの勝負の時なのではないかと思っています。自分で自分がどうなっていくのか楽しみ。そして皆さんの温かい応援が何よりもの支えとなって、今日も私はピアノを弾くのです。

≫次回は、クラリネット奏者の赤坂達三さんです。
■ピアニスト 三舩優子(みふね ゆうこ) プロフィール
東京都出身。3歳からピアノを始める。6歳から12歳までニューヨークで生活。ジェローム・ローエンタール氏に師事。帰国後、井口秋子、奥村洋子、安川加寿子の各氏に師事。桐朋学園大学在学中に第57回日本音楽コンクール第1位入賞。同大学卒業後、ジュリア―ド音楽院に留学。在学中活発な演奏活動を行う。1992年9月帰国し、本格的に日本での演奏活動を再開。1995年4月より5年間にわたりFM横浜のパーソナリティーとしても活躍。2003年4月からはNHK-BS2「週刊ブックレビュー」司会をつとめる。既存の枠に収まらない、音色の美しさとスケールの大きな力強い演奏でつねに聴衆を虜にし、古典から現代音楽に至るそのレパートリーの幅広さにも定評がある。

三舩優子オフィシャルホームページ
http://www.yukomifune.com/
Copyright (C) 2007 PIA Corporation. All Rights Reserved.
@ぴあ