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UNISON SQUARE GARDENの目指す"ポップ"の形とは?
音楽にかける願いと想いを語る

UNISON SQUARE GARDEN


Live

▼9月18日(日)18:00
クラブダイアモンドホール
スタンディング-3500円(整理番号付・別途ドリンク代必要)
サンデーフォークプロモーション[TEL]052(320)9100
Pコード136-200

チケット情報はコチラ

Release

Populus Populus

album『Populus Populus』
2800円
TOY’S FACTORY
TFCC-86360

2004年7月結成。キャッチーなメロディとは対照的にアグレッシヴなライブパフォーマンスでオーディエンスを熱狂させる斎藤宏介(vo/g)、田淵智也(b)、鈴木貴雄(ds)の3人組。2008年7月にシングル『センチメンタルピリオド』でメジャーデビューして以来、よりポップであり、よりロックであることを追及し続けてきた彼らが、7月に3rdアルバム『Populus Populus』をリリースした。今回はメインコンポーザーであるベーシスト、田淵智也と、ハイトーンボーカルが魅力の斎藤宏介に話を聞いた。


「一般大衆が思ってるポップとは何かというところと戦おうと思った」(田淵)

――今回のアルバム『Populus Populus』ですが、聞かせて頂くと今まで以上に音源とライブの距離が近いように感じたのですが、いかがでしょう?

斎藤「サウンド面で言うと、普段、自分が出している音に近づけたというのがあります。いつもライブで使ってるギターアンプで全曲録りましたし、ドラムのマイクをわざとちょっと遠くして、部屋鳴りの音を録ったりして、普段、耳に聞こえる音に近づけました」

――今回は、なぜそのような録り方で臨まれたのでしょうか?

斎藤「狙った部分にすぐいけるとういうのはありました。すごく漠然としたものなんですけど、1つの方向を向くときに、普段3人で共有してる音像で出した方が話が早い。だからレコーディングはものすごく早かったですね」

田淵「自分にしかない武器っていうのをそれぞれ大事にしたかったんですよね。それは何かっていったら、普段自分が出してる音。それは自分にしか出せない音だと思うから、そこは突き詰めたかったんです」

――ちなみに、アルバムタイトルの『Populus Populus』(ポプラポプラ)とはどういう意味なのですか? ポップとプラスを合わせた造語ですか?

田淵「ものすごく意味を込めたタイトルではないんですけど、響きがいいからポプラポプラにしようと思って(笑)。後付けとしては、もっと本気でJ-POPをやりたいというか、自分が戦わなきゃいけないのはどこかっていうのをちゃんと見据えたうえで、そこに向かっていかなきゃという思いはありました。今回は、自分たちにとって、もっとこうあって欲しいポップとは何で、一般大衆が思ってるポップとは何かというところを戦おうと思って、“ポップ”をテーマにしようと思った。だけど、それが本当の意味でJ-POPになるかっていうのは世の中が判断することで、僕らがいくら言ってもポップにはならないですよね。でもこれがポップにならなかったら絶対面白くないんじゃないかっていうワガママな姿勢もあって、ポプラポプラって言ってたらいつかポップになるんじゃないかっていう願いを込めてつけました」

――田淵さんの言う“ポップ”とはポピュラリティという意味の“ポップ”ですか?

田淵「直訳すると大衆ですよね。だけど、ポップミュージックというものは、大衆が今好きなものじゃなくて、大衆を導いていけるものであってほしいなって思う。音楽の力って、なんか知んないけど、いつも生きてる毎日の感じと違うわ、とか、楽しい、とかってものだと思うんだけど、それはやっぱり音楽によって新しい何かを発見したからだと思うんですよね。今、世の中に存在している感情を歌うだとか、世の中のあるあるみたいなものをJ-POPと呼んだところで、リスナーの人たちは次のところへいけないんじゃないかと思うんですよ。もっとこうあったら面白いよね、とか、こういう表現はなかったんじゃないのっていうものがポップと呼ばれるようになったら、自分の中のポップと世の中が思ってるポップがリンクしてくるんじゃないかなと思うんです。だから今回の意味合いとしては、大衆を新しいところに導いていける力があるものをポップと呼んでます」

――これまでもそうですが、実際の音楽性がどうという以前に、“ポップ”という言葉を意識していると感じます。

田淵「作ってるときは何も考えてませんよ。ただこう取材で聞かれたときに、他と何が違うかっていうのを分かりやすく伝えるために使っているというのはあります。普通、ロックバンドがポップって言葉を必要に言うこともないだろうし、俺らがポップだポップだって言うことを格好悪いと思われることもあるだろうから、そこに対して誤解されてもいい言葉選びをしているつもりではある。なんだよ、ポップじゃんって悪口で言われても、うん、そうです、としか言えないというか」

――確かに取材時にそういうキーワードがあると話しやすいですもんね(笑)。なるほど、UNISON SQUARE GARDENが使う“ポップ”がやっと理解できました。アルバムの1曲目は、『3 minutes replay』という曲で、「世界が変わる夢を見たよ」という言葉ではじまります。これは、先ほどからお聞きしたように、楽曲というものが聞く人に何か変化をもたらすものであってほしい、という意味からでしょうか。

田淵「まずこのアルバムを『世界が変わる夢を見た』って言葉で始めたいって思ってたんです。それは、まだ変わってないよ、ということを言いたくて。現実はまだつまんないし、何も面白いことは起こってない。でもそれでも何か楽しいことが起こるんじゃないかって思ってないと、生きててつまんなくないかなっていうのはずっと思ってて。未来が暗いとか、憂えてる人はいっぱいいるとけど、それじゃ生きてて楽しくないから、やっぱり楽しい未来を思いたい。でもそれを誰かに命令されたり、強制されたりするんじゃなくて、自分の中で確かなものを持って、自分の中の世界を変えていくことで、世の中の風景も変わっていくんじゃないかっていう願いがあるんです。最後まで本当に世界が変わることなんてないのかもしれないけど、変わったらいいなっていう思いを持ち続けたら楽しいんじゃないかって思いで、このアルバムを始めたいなって思ったんです」


「今回はCDもいいし、ライブもいいって言ってもらえるんじゃないかな」(田淵)

――今回、斎藤さんの歌い方の幅も広がっているように感じます。もともとハイトーンは特徴的でしたけど、ロウな部分も出ていたり。

斎藤「歌ってなんだっていうのを考えるようになったんです。低い声が出るようになったっていうのも、どうやったらロウの成分が出るんだろうって自分なりに考えたりもして。逆にいちいちちまちま考えずに、音楽なんて感情なんだから、脳みそ通さないで反射で出していった方がいいんじゃないかとも考えました。13曲も挑戦する場所があったので、好きにやりましたね。僕らはバンドとして、それぞれの人に自分だけの確かなものを持って、その道を進んでほしいという思いがあるけど、僕ら自身がそうでないとそんなの伝わるわけないじゃないですか。表現者として自分の武器は何だろうってことを考えて、自分にしか出来ないこと、この3人にしか出来ないことを、より好き放題にやったまんまで世の中に勝負したかったんです。だから無責任な好き放題じゃなくて、ちゃんと思いのこもった好き放題が出来たのはすごく嬉しいですね」

――UNISON SQUARE GARDENは基本的に田淵さんが作詞作曲されてますが、今回、斎藤さんが作った『スカースデイル』というのが収録されてますね。作詞作曲の両方をやられるのは初めてでしたっけ?

斎藤「初めてです。やっぱ歌なんだって考えたときに行き着いた結論が、自分の言葉を歌うっていうことだったんです。うちのバンドは歌い手が曲を書いてない珍しいバンドで、それはそれで成立してるんですけど、自分の言葉を歌って初めて見えるものもあるだろうなって思って作ったんです。ライブなどでお客さんを目の前にして、何かしら力になりたい、エネルギーを与えたいって思ってたんですね。それは楽しみを与えるとかでもいいんですけど、その“何か”がその人たちのやりたいことへの一歩を手伝えることがもし出来るなら、それが音楽の可能性なんじゃないかと。そんなことを考えながら作った曲です」

――それにしても、その他にもタイプの違う曲が入ってたりもしてますが、全体的にライブ感というか、勢いを感じるアルバムになってますよね。

田淵「実は今までライブの方がいいねって言われることも多くて、それがすごいくやしかったんです。それで今回はCDでしか出来ないことをいっぱいやろうと思って、コーラスやギターもたくさんいれたんです。その結果どういう効果が起きるかっていうと派手になるんですよね。ライブだとおっきい音でのインパクトがある。CDでは派手にすることでライブとは違うインパクトを与えるつもりで作ってたから、ライブとCDで何かリンクすることがあるのかもしれない。で、最初に言ったようにサウンドは僕らがいつも出してる音に近いものを使ったから、自ずと俺らのライブを知ってる人はそれを想定してくれるんじゃないかな。見える景色は違うけど、今回はCDもいいし、ライブもいいって言ってもらえるんじゃないかな(笑)」

――確かにバックの音が分厚いですよね。

田淵「物足りないと思ったらとにかく入れるようにしてたので。派手にしよう派手にって」

斎藤「今、ツケが回ってきて、ライブが追いつかなくてヒーヒー言ってます(笑)。曲芸みたいになりますよ。これしながらこれするみたいな」

田淵「本当に大変。今度はCDの方がいいなって言われるかもしれない。でも、それでもいいぐらいのCDを作ろうと思ったんです」

――ライブは3人だけでやるんですか?

田淵「いっぱいギターは入ってるし、ピアノも入ってるけど、これを3人でやるっていうのが今回のツアーの目的。こっちはこっちでまたいいねって言われるためにやろうかなって思ってて(笑)」

斎藤「コーラスが結構多いんですよ。貴雄がほぼ初めてに近いコーラスをいれるんですよ。俺、ボイトレに通ってるんですけど、こないだ貴雄を連れていきました(笑)」

――ライブも新たな挑戦という。

田淵「そうですね。でもそれを平気な顔してやって、相変わらず楽しそうだねって言われるためにツアーを回ります(笑)」

――どんなライブになるのか楽しみにしてます!では最後にひとこと!

斎藤「すごく単純で、すごく漠然としてるんですが、音楽、特にライブって何かよく分かんないけど楽しいとか、何かよく分かんないけど格好いい、何かよく分かんないけど自由になれてる気がする、とか、そういうのを感じられる場所だと思うんです。でもそれは体感しないと分からないものだから。僕らは自信と誇りを持ってライブをやってるので、ぜひ一度観に来てほしいですね」

田淵「無理してない楽しさ。楽しそうにやってるけど無理してないライブを僕らはやってると思ってて。ステージを観てもらえれば、楽しそうだなこの人たちって思ってもらえるライブをいつもしてるので、それを観たお客さんたちが、今度は自分のために自分を楽しむ風景をこれからもっと増やしていけたらなって思う。別に隣の人に合わせる必要もないし、こっちから強制したり命令したりするわけでもないから、自分だけの楽しみ方で僕らのライブ、僕らのライブに限らず音楽を体感して頂けたらな。そんなライブにしますので、ぜひ楽しみにしててください」

 

(9月1日更新)

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