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ソロアーティスト、雅-MIYAVI-
再デビューにかける意気込みとは?

雅-MIYAVI-

Live

●12月7日(火)19:00
ボトムライン
オールスタンディング-4500円(別途ドリンク代必要)
サンデーフォークプロモーション[TEL]052(320)9100
※3歳以上有料。3歳未満は入場不可。

Pコード119-904

Release

アルバム『WHAT’S MY NAME?』
発売中
1980円
EMIミュージックジャパン
TOCT-27002

WHAT’S MY NAME?

再デビューといっても、そもそも雅-MIYAVI-のこと知らない人もいるかもしれない。そんな方のためにまずは簡単にご紹介しよう。1999年、ヴィジュアル系バンドDue’le quartzのギタリストとして活動を開始した雅-MIYAVI-。2002年のバンド解散後、ソロとして活動をスタートしてからは、ヴィジュアル系のイメージを覆す様々なパフォーマンスを行ってきた。踊れるロックでは自らダンスを披露、独演家スタイルでは足につけたタンバリンでリズムをとり、一人でアコースティックなステージを、ヒューマンビートボックスやタップダンサー、ラッパーなどとのコラボレーションもしてきた。そんな様々な活動してきた雅-MIYAVI-が、昨年事務所から独立、自ら事務所を立ち上げ、レコード会社も移籍。新たなスタートを切った彼が、今、表現したいこととは?

 

――昨年は事務所から独立、レコード会社も移籍した第1段アルバム『WHAT’S MY NAME?』がリリースされました。この作品で、再デビュー的な意識は強いのですか?

「もちろん。それはすごく大きい。独立した時でもあり、タイミングというのも大きいんだけど、何より雅-MIYAVI-っていうアーティストが10年、20年先も、ずっとアーティストとしてやっていくために、どうあるべきかって考えたときに、もっとアーティストとしてのコアな部分に真っ直ぐ向き合いたい、ぶつかりたいと思ったんですね。それは、演奏家としてもそうだし、表現者としても。今、自分のまわりにいるスタッフは、去年独立した時は誰もいなかった。レコードレーベルもそうだけど、本当にゼロから、もう一度積み重ねてきました。作品に関しても、まず、お前は何ができるんだ?何がしたいんだ?っていうところをまずフォーカスして。『WHAT’S MY NAME?』っていうタイトルもそうですよね。自分に対して、お前は何なんだ?っていう問いかけでもあるし、世界に対して、こいつを知ってるか?っていう問いかけでもある。もう一度、雅-MIYAVI-っていうアーティスト像を再定義する。これ以上でもこれ以下でもない、これが雅-MIYAVIだっていうことをね。もちろんこれまでもそのタイミングタイミングで120%、150%やってきたけど、もっと長い目で見た時に、これが雅-MIYAVI-だ!っていうアルバムをまず作りたかった。それはやっぱり大きいですね。日本、世界、関係なく、残る作品というか」

――雅-MIYAVI-さんは、これまでも自分というアイデンティティをもって、表現してきたと思うんです。その“自分”をさらに明確に表現したかったということでしょうか?

「雅-MIYAVI-って何なんだって言われたときに正直まだ漠然としてた部分があったんですよ。自分で全部打ち込みして、インダストリアルにすごい傾倒した時期もあるし、7弦ギターを使ってみたり、ヘビーな方向にいった時期もある。アコースティックによった時期も、すごくポップな楽曲だった時期もある。歌舞伎男子zっていう、ストリートからアンダーグラウンドのすごい才能のあるいろんなアーティストを引っ張ってきて、ひとつのエンタテインメントショーをしたり、いろいろやってきた。歌舞伎男子zは、いろいろなものが形になった時にまたやりたいなって思っているんだけど、まずは雅-MIYAVI-、お前は何なんだっていう。そこがあってはじめて他があるというか。そこに対して向き合うことが出来たのも去年の独立だったり、もう一度リスタートするっていう意識があったからかなって思いますね」

――今回、アルバムを作ることで、その「雅-MIYAVI-とは何なんだ?」っていう答えは見つかったんですか?

「見えましたね。確実に見えました。ギターであり、メッセージであり、ビートである。当たり前の話なんだけど、そこに自分は尽きるなって思った。自分の作りだす唯一無二の音に乗せて、自分のメッセージを、人生に対して歌う。いろんなフィルター、いろんな切り口はあるけれど、自分なりのやり方で世界に対して発信する。それが根幹であり、逆にそれ以外言うことは何もない。そういう意味では、これだ!っていう作品が作れた気はすごくしてます」

――確かに今作では、ギタリストとしての雅-MIYAVI-さんが際立ってました。

「そうですね。そこを開放してあげること。それは自分だけでは出来なかった。やっぱり今のスタッフ、レーベルも含めて、いろんな人のサポートやバックアップもあって、俺もそこまで飛び込めたっていう部分もすごくあって。今までの自分だったら、もしかしたら二の足を踏んでたかもしれない。やったことで見えたことっていうのはたくさんありましたね。次の課題もたくさんあるんですけど、このアルバムを通じていろいろ見えたし、自分に対しての可能性ももっと見えたというか、あ、もっといけんなコイツっていうのは、やってすごく感じた」

――アコースティックギターを、ピック使わずスラップで弾きまくってますもんね。

「いい意味でのミクスチャーですね。エレキでもないし、アコギでもない。何これ?っていうところにいけたのはおっきいかな。バンドやろうぜってなっても、ギター、ドラム、ベース、ボーカル、キーボードじゃなくて、2人いればロックできる。ギターに関してもピック持ってスケールとか知らなくても、弦をぶっ叩けば、それで音は鳴るんだから。知識とか経験とかよりも、感情とか、表現したいものに直結した音を今回、すごく意識したんですね」

――今回、ほぼドラムとギターだけで作ってますよね。なぜ、ドラムと2人だけで作ろうと思ったんですか?

「つまらなかったから。ここで普通にベーシストをいれたら形になるだろうし、それはそれでそれ相応のものはできたんだけど、根がこうなんで。歌舞伎男子zもそうだけど、普通の形態なんて別に俺がやらなくてもいい。俺にしか出来ないことをやんなきゃ意味ないでしょ?っていう感覚。必ずしもそれがシーンが求めてるかどうかは別ね(笑)。特に歌舞伎男子zやってた時は、俗に言うヴィジュアル系っていう畑の中で、何だこれは?と。モヒカンのラッパーがいたり、物乞いみたいなタップダンサーがいて、タブーまではいかないけど、ありえなかった。でもそこ(ヴィジュアル系)の畑でずっとやってるつもりも俺はなかったし。今でもそうだけど、日本っていうシーンでやってるつもりもないし、世界に出てった時にどう戦えるかっていうのをずっと意識してやってきてるから。まあ、そういうことも本当はどうでもいいんですけどね。自分にしか出来ないスタイルでしたいっていうのと、歌舞伎男子zの反動もあったりね。後はどれだけ自分にフォーカスできるかっていうこと。そこでベースいれちゃうと、濁る。本当に必要最低限、ギターとビートとメッセージ。それだけ。他はいらない。後は自分のプレイスタイルが、三味線とかにインスパイアされてるので、ベースっぽい要素もあるじゃないですか。スラップしたりもそうだし。だから逆に他がいない方が隙間を作れる。俺の音楽って隙間だってすごく思ってるんですね。間を作ることによって生まれるグルーヴ、俺は居合いの間って呼んでるんですけど、どれだけファンキーにとか、どれだけグルーヴィーにってやっても、黒人のそれとか、白人のそれには敵わないじゃないですか。敵わないっていうと違うかもしれないけど、敵う敵わないじゃなくて、そもそも俺らにしかないものを作らないと、勝負にならないというか。ギターとドラムだけっていうスタイルも、普通じゃないじゃないかもしれない。でもホワイト・ストライプスとかもそうだし、別にいないわけじゃないんですよ。日本にしてもね。だけど、それともまた違う。ベースがいないことを売りにしてないし。このプロジェクトがはじまった時に、俺とBOBOで話をしてて、音を聴いて、2人だとバレたら負けって。逆にバレなかったら俺達の勝ち。実際にそうなったと思ってるし」

――今回ドラムを担当したBOBOさんは、54-71のメンバーであり、くるりでもサポートをしてたりと、様々なところで活躍されてる人ですよね。今回の作品を作るにあたって、彼はキーマンだったんですか?

「彼はVIPですね。Very Important Person(笑)。人としても最高ですし、彼こそ世界に連れていきたいドラマー。コイツを見ろと。世界にもいろいろ素晴らしいドラマーはいるし、僕も影響を受けたドラマーはいるけど、俺とやってるステージで紡ぎ出すパワーとエナジーは、お前らできるかって世界に対して言いたい。日本では彼には窮屈な思いをさせてしまってますけどね。雅-MIYAVI-っていうと、やっぱりイメージが最初についてきたりする。特に日本は。BOBOには、そういう意味ですごく窮屈な思いをさせてるし、それでも誇りを持ってついてきてくれることをすごい俺は嬉しく思うし、故に俺は頑張ろうと思える。そういう意味でも彼は最高ですね」

――実際、私もそういう声を聞いたりしますしね。でも、先日はMO’SOME TONEBENDERとの対バンが発表されたりと、これまでの繋がりからは生まれない展開にもなってる。それが面白いですよね。

「そういう意味でも、彼の人柄や、ドラマーとしてのステイタスは、雅-MIYAVI-にとっても良いケミストリーが起こってる気がする。お互いリスペクトしてないと出来ないし、素晴らしいドラマーですね。頭でっかちなジャンルとか関係ないし、ヒストリーとかも関係ないよね。現在出す音がきてるかきてないか。きてたんだよね。お互い一発音出した時にOKって」

――今回お話し聞いた中でもそうですけど、世界に対してという意識は強いですよね。ただ、歌詞にもありますが、日本人であるということは大事にしつつ世界に向けて発信してるというように感じました。

「日本人としての誇りはもちろんある。だけど『日本大好きです、日本最高』って日本語で話しても誰も分からないし、理解なんかしないよね。日本のことを好きな人は理解しようとしてくれるけど、そうじゃない人は耳も貸さないよ。それは音楽にもスポーツにも言える。日本代表の本田選手。彼にすごくシンパシーを感じるというか、すごく分かるんですよね。彼、ワールドカップに日本代表でやりました。はっきり言って、日本の選手を知らない人は、俺らの試合、誰も見てない。本当にその通りなんだよね。誰も聞いてない。誰も気にしてないし、言ってみれば聞く価値もない。だけど、やってる以上は全ての人に届けたいっていうのは、当たり前にある。そういう意味で、例えば、英語で歌詞書いたり、インタビューに答えたりするとかするのもそう。こうやって日本語でしゃべるほどインタビューも答えられないから、自分の中でフラストレーションもあったりするんだけどね。この前、カナダも含めて北米ツアー15ヵ所まわって、テレビも雑誌も新聞も、全部英語で通訳無しでやって。だけど、俺的にはもっともっと言いたい、もっとこういうこと言いたいんだけどなぁって正直あった。だけどそれに関してはやってくしかないからね。それにためらったり、諦めてる暇なんてないしね。日本含め自分が良いと思うものを、伝えたいから。そういうのは当たり前にやってくことだよね」

――今回のアルバムでは英語と日本語がちょうど半々ぐらいのバランスになってますもんね。

「そうですね。あまり意識してなかったけど、バランス的にはちょうどよかったなと思います。面白いのは、日本ツアーまわってるときに曲をバーって書いてた歌詞は日本語で、北米ツアーまわってたときに書いてた歌詞は英語なんですよ。モードが英語だったっていうのもあるんですけど、対象となるオーディエンスの影響もあるんだろうね。MCも英語でやってたから、自然と英語で書けたという」

――ただ、英語だろうと日本語だろうと伝えたいことは一貫してますよね。

「それは一緒ですね。ただ伝え方であるとか、切り口が自分の中でも成長したと思う」

――現状を打破しようよ、というような内容が多いように感じますが。

「自分に対して言ってる部分は大きいですね。『WHAT’S MY NAME?』もそうですし、結局、自分との向き合い方。人生ってそれだけかなって思う。自分とどう向き合うか次第で全部変わるし、歌詞にしても自分に対してっていうのは大きいですね。後は聴く人がそれを聞いてどう受け止めて、それぞれの人生を頑張れるかどうかっていうだけ」

――その考え方は今までの雅-MIYAVI-さんの流れの中にあるものですが、今までよりも世界に対してという意識が強いように感じます。

「そうですね。それは前と比べても自信があるから。ワールドツアーを2回やって得た自信。これはいけると。シーンに頼らず、進んでいける。それを引っ張っていける、自信がすごくある。そういう意味では依存したくない。失うものもたくさんあったけど、それ以上に得るもの、掴みたいものの方が大きいから、そこに対してはもう迷わないし、ずっと真っ直ぐ突き進むだけ、です」

――『WHAT’S MY NAME?』に“World Peace Through Good Music”という歌詞がありますが、良い音楽で世界を平和に、みたいな?

「イェーイってなる感覚って結局は一緒じゃないですか。日本人だろうが、イギリス人だろうが、イタリア人だろうが、アメリカ人だろうが、中国人だろうが、韓国人だろうが。ロックだろうがファンクだろうがヒップホップだろうが何でもいいんだけど、やっぱいい音楽、音楽ができることって極論そこしかないと思う。聞いてちょっとハッピーになれたりね。あとは、その音楽自体が現実社会にちゃんとフィードバックできるかどうか。例えばクラブ行って週末だけ楽しむ音楽じゃないもの。やっぱり現実社会に戻れるものであってほしいし、日常の中で聞けるものであってほしいと思う。そういう意味で、人生に対して肯定的というかね」

――アルバム引っ提げ、ツアーも決定しました。ツアーもBOBOさんと2人でだけで行うんですか?

「そうですね、2人。新しく再デビュー、ゼロから命かけてやってるつもりなんで。ギターだったりドラムだったり、楽器やってる人にもどっか楽しめる要素もたくさんあると思う。ライブは、一瞬一瞬、閃きとパッションで作り上げてるから、また新しいレベルに進めたなって自分では感じてるんですよ。それは音源もそうだけど、ライブもなので。新しい景色を共有できたらステキだなと思います」

 

(11月8日更新)

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