フランス語で「新しい芸術」を意味し、19世紀末から20世紀初めにかけてヨーロッパで花開いた美術様式、アール・ヌーヴォー。それまでの価値観にとらわれず、昆虫や花、動物など身近な自然を装飾化した曲線模様を特徴とし、ジャポニズムの影響を色濃く受けたことでも知られている。こうしたアール・ヌーヴォー芸術の中で、ガラス工芸の分野を代表するエミール・ガレやドーム兄弟はそれぞれ高度な技術を開発、斬新な作品を次々と生み出していったのだ。
本展では、トンボ、バッタ、アザミ、鳥など、アール・ヌーヴォー芸術を代表する自然の美しい図柄が盛り込まれた作品を中心に展観する。また、田嶋悦子やオーストラリアのブライアン・ハーストら、ガラスを用いた作品を手掛ける現代アーティストの作品を紹介する、「現代アート作品展」も同時開催される。